Q:エクロックゲルの服薬指導を行う際のポイントを教えてください。

服薬指導のポイント

適応は「原発性腋窩多汗症」

適応は「原発性腋窩多汗症」となっており、「わき」にのみ使用する薬剤です。

用法は1日1回。いつ使う?

用法は「1日1回」で、使用するタイミングは決まっていません。
毎日同じタイミングで使用することが望ましいです。
(第Ⅲ相臨床試験では就寝前に使用されています。)
後に述べる理由と合わせて入浴後の使用が適しています。

各わきに1回1ポンプ分を塗布

使用量は各わきに1ポンプです。
アプリケーター(蓋部分)を使用して塗布を行います。
わきをしっかり乾かしてから塗布し、使用後は乾かしてから衣服を着用します。
そのため、使用後に洗い流してしまうことを避けることも含めて、入浴後の使用が適しています。
使用後のアプリケーターに残った薬剤はティッシュ等で拭き取るか水でよく洗い流します。

注意すべき有害事象は?

抗コリン作用を持つ薬剤ですが、局所治療薬なので副作用は代表的な皮膚炎(6.4%)、紅斑(5.7%)等です。
ただし、わき以外の場所に付着した場合には副作用を引き起こす可能性が高まる恐れがあります。
粘膜部、特に目に付着した場合は直ちに水で洗浄してください。
また、わきに炎症や傷がある場合は使用しないことが望ましいです。

1本で何回(何日分)使えますか?

エクロックゲルは20g入りと40g入りの2つの規格が存在します。
想定されている使用回数はそれぞれ以下の通りです。
・20g:少なくとも14日分(1日1回 両わきにポンプ1押し分ずつで使用)
・40g:少なくとも28日分(1日1回 両わきにポンプ1押し分ずつで使用)

小児に使えますか?

12歳以上の小児には使用可能です。

9.7 小児等
12歳未満の小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。

エクロックゲル5% 添付文書

妊婦(またはその可能性がある場合)に使えますか?

いわゆる「有益性投与」です。
全身移行性については「エクロックゲル 5%に係る医薬品リスク管理計画書」(RMP:Risk Management Plan)で潜在的リスクに挙げられているように低いと思いますが、完全に否定はできません。
特に、長期使用や傷口等に塗布した場合にはリスクが高まる可能性があります。

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット:皮下投与)で胎盤通過性が報告されている。

エクロックゲル5% 添付文書

使用中の授乳は可能ですか?

妊娠中と同様の考えです。
全身移行性についてはRMPで潜在的リスクに挙げられているように低いと思いますが、完全に否定はできません。
特に、長期使用や傷口等に塗布した場合にはリスクが高まる可能性があります。

9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット:皮下投与)において、乳汁中に移行することが報告されている。

エクロックゲル5% 添付文書

参考資料

エクロックゲル5% 添付文書
エクロックゲル 5%に係る医薬品リスク管理計画書
エクロックゲル5% 医療関係者向け情報サイト FAQ – 科研製薬
エクロックゲル5% 医療関係者向け情報サイト 患者サポート資材 – 科研製薬

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