Q:ラジカット内用懸濁液は起床時にしか服用できませんか?

服薬指導のポイント

A:空腹時に服用しないといけないため起床時が推奨されますが、食事内容に応じた絶食時間を設ければ起床時以外での服用も可能です。

  1. 用法及び用量
    通常、成人に1回5mL(エダラボンとして105mg)を空腹時に1日1回経口投与する。
    通常、本剤投与期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返す。第1クールは14日間連日投与する投与期の後14日間休薬し、第2クール以降は14日間のうち10日間投与する投与期の後14日間休薬する。
ラジカット内用懸濁液2.1% 添付文書
  1. 用法及び用量に関連する注意
    本剤は食事の影響により血漿中濃度が低下するため、起床時等の8時間絶食後に本剤を服用することとし、服用後少なくとも1時間は水以外の飲食は避けること。
    8時間絶食ができない場合、低脂肪食では摂取後4時間以上軽食では摂取後2時間以上あけて、本剤を服用することが可能である。ただし、高脂肪食では摂取後8時間以上あけて本剤を服用すること。
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16.2 吸収
16.2.2 食事の影響
健康成人男性6例に空腹時及び高脂肪食(1000キロカロリー、50%脂肪)摂取30分後にエダラボン200mgの懸濁液を経口投与したとき、高脂肪食摂取30分後の投与では空腹時投与と比較してCmaxが約80%低下し、AUC0-∞が約60%低下した。健康成人男性9例に空腹時、高脂肪食摂取4時間後、及び高脂肪食摂取の1時間前にエダラボン100mgの懸濁液を経口投与したとき、高脂肪食摂取4時間後の投与では空腹時投与と比較して、Cmaxが約50%低下し、AUC0-∞が約25%低下したが、高脂肪食摂取の1時間前の投与では、空腹時投与と比較して顕著な食事の影響は見られなかった。健康成人16例に空腹時、高脂肪食摂取8時間後、低脂肪(通常)食(400キロカロリー、25%脂肪)摂取4時間後、低脂肪(通常)食摂取2時間後及び軽食(経腸栄養剤)(250キロカロリー)摂取2時間後に本剤(エダラボンとして105mg)を経口投与したとき、高脂肪食摂取後8時間後、低脂肪(通常)食摂取後4時間後、及び軽食摂取後2時間後に本剤を経口投与したときの薬物動態パラメータは空腹時投与と比較して大きな違いは認められなかったが、低脂肪(通常)食摂取2時間後に本剤を経口投与したときでは空腹時投与と比較して、Cmaxは約50%低下し、AUC0-∞は約20%低下した

ラジカット内用懸濁液2.1% 添付文書

食事内容に関わらず8時以上の絶食を行えば投与可能なので、起床時服用が最も望ましいのですが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という疾患の特性上、在宅で一人暮らしをされていて、自身では服用を行うことができないケースが存在します。
その場合、訪問看護利用時等に服用することとなり、起床時服用は困難となりますが、以下のように食事内容に応じた絶食時間を開けることで服用可能となっています。

食事の影響カロリー・食事中の脂肪の割合の目安服用時に必要な絶食時間
高脂肪食1000キロカロリー、50%脂肪8時間以上
低脂肪(通常)食400キロカロリー、25%脂肪4時間以上
軽食(栄養剤等)250キロカロリー2時間以上
ラジカット内用懸濁液2.1%服用方法(動画)|田辺三菱製薬 を参考に作成

服用後の食事や服用前後の水分摂取は?

服用前の水分摂取制限はありませんが、脂肪やカロリーを含むものに関しては食事と同等に扱うことが望ましいです。基本的に絶食時間は水以外の飲食を避けた方が良さそうです。

服用後については「用法及び用量に関連する注意」に記載されている通り、1時間は水以外の飲食が禁止となっています。

参考資料

ラジカット内用懸濁液2.1% 添付文書|田辺三菱製薬

ラジカット内用懸濁液2.1% インタビューフォーム|田辺三菱製薬

ラジカット内用懸濁液2.1% 服用方法(動画)|田辺三菱製薬

ラジカットQ&A|田辺三菱製薬

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