Q:ジャディアンス錠を慢性心不全に対して処方する場合、保険請求上の注意点はありますか?

保険請求上の注意点

A:現在は診療報酬明細書(レセプト)の摘要欄に記載が必要な項目はありません。ですが、添付文書には「慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」の記載があります。

「慢性心不全」の適応取得直後(2021年11月25日)は左駆出率(LVEF:Left Ventricle Ejection Fraction)の数値とその計測日の記載(他の医療機関でLVEFを測定した場合はその医療機関名と測定結果を記載)が必要でしたが2022年4月6日に添付文書の改訂が行われ、LVEFに関する記載が削除されました。その結果、現在はLVEFによらず使用可能となっています。

4 関係通知の一部改正について
(2) 「医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について」(令和3年11月25日付け保医発1125第2号)の記の1を以下のとおり改正する。
1 効能・効果等の一部変更承認に伴う留意事項について
ジャディアンス錠10mg
本製剤を「慢性心不全」に用いる場合は、効能又は効果において、「ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」とされているので、使用に当たっては十分留意すること。

使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について – 厚生労働省(保医発0419第1号令和4年4月19日)

1 効能・効果等の一部変更承認に伴う留意事項について
ジャディアンス錠10mg
本製剤を「慢性心不全」に用いる場合は、効能又は効果において、「ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」とされているので、使用に当たっては十分留意すること。また、効能又は効果に関連する注意において、「左室駆出率が保たれた慢性心不全における本剤の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること。」とされているので、投与開始に当たっては、左室駆出率の計測年月日及び左室駆出率の値を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。なお、他の医療機関で左室駆出率を測定した場合には、当該測定結果及び医療機関名を記載することで差し支えない。

医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について – 厚生労働省(保医発1125第2号令和3年11月25日)

参考リンク:「慢性心不全」の効能又は効果に関連する注意の改訂 (左室駆出率に関する記載の削除)のお知らせ – 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

参考:診療報酬請求書等の記載要領等についての該当部分は削除?

「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(保医発0325第1号 令和4年3月25日)の別表Ⅱ 診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧(薬価基準)にはジャディアンスの慢性心不全についての記載がありますが、左室駆出率に関する記載の削除に伴い、以下の内容は削除相当の扱いになっていると考えられます。

別表Ⅱ 診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧(薬価基準) – 「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(保医発0325第1号 令和4年3月25日)(令和4年度診療報酬改定について)

別表Ⅱ 診療報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧(薬価基準)
項番:65
医薬品名称:ジャディアンス錠10mg
効能・効果:慢性心不全
記載事項:効能又は効果において、「ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」とされているので、使用に当たっては十分留意すること。また、効能又は効果に関連する注意において、 「左室駆出率が保たれた慢性心不全における本剤の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること。」 とされているので、投与開始に当たっては、左室駆出率の計測年月日及び左室駆出率の値を記載すること。なお、他の医療機関で左室駆出率を測定した場合には、当該測定結果及び医療機関名を記載することで差し支えない。
レセプト電算処理システム用コード:左記コードによるレセプト表示文言
850600034:左室駆出率の計測年月日(ジャディアンス錠10mg);(元号)yy”年”mm”月”dd”日”
830600120:左室駆出率の値(ジャディアンス錠10mg);******
830600121:左室駆出率を測定した医療機関名(他の医療機関で測定した場合)(ジャディアンス錠10mg);******

「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(保医発0325第1号 令和4年3月25日)(令和4年度診療報酬改定について)


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