A:FFはFree Form(フリー体)の略です。エルカルチンの有効成分レボカルニチン塩酸塩に対して、エルカルチンFFの有効成分レボカルニチンがフリー体であることを示しています。
今でこそエルカルチンFF(錠、内用液、静注)しか存在しませんが、元々カルニチン製剤はエルカルチン錠しか存在しませんでした。
エルカルチン錠の適応は「プロピオン酸血症およびメチルマロン酸血症におけるレボカルニチン欠乏の改善」でしたが、関連学会(日本先天代謝異常学会や日本小児科学会 等)からの要望に基づき、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請に該当すると評価され、「カルニチン欠乏症」への適応に変更されました。
また、小児等でも服用しやすい剤形が必要という要望が「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」から出たことを受け、2013年2月に内用液剤、注射剤を発売しました。
錠剤は塩化物(レボカルニチン塩化物)、内用液剤、注射剤はフリー体(レボカルニチン)という状態でしたが、2014年12月にフリー体を有効成分とする錠剤が発売(その後、塩化物は発売中止)され、レボカルニチン製剤はフリー体(FF)に統一されました。
1990年:エルカルチン錠100mg/300mg 発売
・有効成分はレボカルニチン塩化物
・適応は「プロピオン酸血症およびメチルマロン酸血症におけるレボカルニチン欠乏の改善」
2011年3月:エルカルチン錠100mg/300mgの適応変更(公知申請)
・適応変更「プロピオン酸血症およびメチルマロン酸血症におけるレボカルニチン欠乏の改善」→「カルニチン欠乏症」
2013年2月:エルカルチンFF内用液10%、エルカルチンFF静注1000mg 発売
・有効成分はレボカルニチン
・適応は「カルニチン欠乏症」
・FFはFree Form(フリー体)の略
2014年12月: エルカルチンFF錠100mg/250mg 発売
・有効成分はレボカルニチン
・適応は「カルニチン欠乏症」
・内用液と静注に合わせる形でフリー体を有効成分とする錠剤を開発
・エルカルチン錠とエルカルチンFF錠では用法・用量が異なるため規格も変更
2015年12月:レボカルニチン塩酸塩錠100mg/300mg 発売
・有効成分はレボカルニチン塩化物
・エルカルチン錠100mg/300mgの後発品
2016年3月:エルカルチン錠100mg/300mgの発売中止・経過措置満了
・エルカルチンFF錠100mg/250mgの登場に伴い発売中止に
2017年12月:エルカルチンFF内用液10%分包5mL/分包10mL、エルカルチンFF静注1000mgシリンジ 発売
・エルカルチンFF内用液10%分包5mL/10mLはそれぞれアルミスティック分包品
・エルカルチンFF静注1000mgシリンジはプレフィルドシリンジ製剤
2020年3月:エルカルチンFF静注1000mgの発売中止・経過措置満了
・ガラスアンプル製剤だったエルカルチンFF静注1000mgは発売中止に
2022年6月:レボカルニチンFF錠100mg/250mg、エルカルチンFF静注1000mgシリンジ 発売
・有効成分はレボカルニチン
・エルカルチンFF錠100mg/250mg、エルカルチンFF静注1000mgシリンジの後発品
2023年12月:レボカルニチンFF内用液10%/分包5mL/分包10mL 発売
・有効成分はレボカルニチン
・エルカルチンFF内用液10%/分包5mL/分包10mLの後発品
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