A:エブリスディドライシロップは新薬の処方日数制限の対象外です。
新医薬品が「疾患の特性や、含有量が14日分を超える製剤のみが存在しているといった製剤上の特性から、1回の投薬期間が14日を超えることに合理性があり、かつ、投与初期から14日を超える投薬における安全性が確認されている新医薬品」である場合は処方日数制限について例外的な取扱いをすることが可能となっており、エブリスディドライシロップは以下の資料を根拠に例外の対象であると判断されました。
別添1 「エブリスディドライシロップ60mg」について
令和3年8月薬価収載予定の新薬のうち14日ルールの例外的な取扱いをすることについて(案)(中医協 総 -3-3 3.8.4)
(1)疾患の特性
○ 脊髄性筋萎縮症は、主に乳児期に発症するⅠ型においては、筋力低下により呼吸不全等が進行する重篤な疾患である。疾患の特性として、呼吸器補助を受けている患者も多く、頻回の通院は患者負担も大きい。
(2)製剤上の特性
○ 本剤は、製剤の特性上、遮光保存であり、催奇形性リスクがあることから、小分けせず60mg1瓶を患者に渡すこととなるが、用法用量上、約17kg以下の患者では14日間で1瓶使い切ることができない。
(参考)
用法用量:生後2カ月以上2歳未満の患者にはリスジプラムとして、0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与する。 通常、2歳以上の患者にはリスジプラムとして、体重20kg未満の患者では0.25mg/kgを、体重20kg以上の患者では5mgを1日1回食後に経口投与する。
(3)投与初期から14日を超える投薬における安全性
○ 脊髄性筋萎縮症患者を対象とした国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験において14日間を超える投薬が行われ、当該試験の結果より、その安全性は許容可能であるとされていることから、14日を超える投薬における安全性が確認されているといえる。
4. 効能又は効果
エブリスディドライシロップ60mg 添付文書
脊髄性筋萎縮症
6. 用法及び用量
通常、生後2カ月以上2歳未満の患者にはリスジプラムとして、0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与する。 通常、2歳以上の患者にはリスジプラムとして、体重20kg未満では0.25mg/kgを、体重20kg以上では5mgを1日1回食後に経口投与する。
2. 整理・検討にあたっての考え方
新医薬品の処方日数制限について(案)(中医協 総-4-1 22.10.27)
実地医療の場で初めて使用される段階の新医薬品については、処方医による一定の診察頻度を確保し、患者の観察を十分に行う必要があるとの観点から、14日分を処方限度とするという現行制度を維持するものの、処方日数制限が合理的でないと考えられる場合を以下のとおり整理してはどうか。
② 疾患の特性や、含有量が14日分を超える製剤のみが存在しているといった製剤上の特性から、1回の投薬期間が14日を超えることに合理性があり、かつ、投与初期から14日を超える投薬における安全性が確認されている新医薬品である場合
コメント