オビドレル皮下注シリンジ〜2016年8月4日医薬品第一部会審議品目⑥

平成28年8月4日、厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会で6製品の承認が了承されました。
今回は、審議が行われた品目の中から、オビドレル皮下注シリンジについてまとめます。
なお、オビドレル皮下注シリンジは平成28年9月28日に製造販売が承認されました。

平成28年8月4日薬食審・医薬品第一部会での審議品目

今回審議され、承認が了承されたのは以下の通りです。

一つずつまとめていきたいと思います。

オビドレル皮下注シリンジ

成分名:コリオゴナドトロピンアルファ(遺伝子組換え)

  • オビドレル皮下注シリンジ250μg

申請者:メルクセローノ

  • 効能・効果①:視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵又は希発排卵における排卵誘発及び黄体化
  • 効能・効果②:生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化

用法・用量:コリオゴナドトロピンアルファ(遺伝子組換え)として250μgを単回皮下投与する。

欧米を含む世界101か国ですでに承認済です。

hCG製剤による不妊治療

ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG:human Chorionic Gonadotropin)は、妊娠後に分泌されるホルモンのひとつです。
hCGには卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌を促す作用があり、不妊治療では主に二つの目的で使用されています。
一つ目は、排卵の誘発です。
hCG注射を行った後、24〜36時間ごに排卵が起こります。
二つ目は、妊娠を安定させることです。
hCGを注射することで、黄体ホルモンが分泌され、子宮内膜が安定化されます。

これまでのu-hCG製剤との違い

これまで、日本では、尿由来ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(u-hCG:urinary-human Chorionic Gonadotropin)製剤が使用されていました。
今回、承認が予定されている遺伝子組換えヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(r-hCG:recombinant-human Chorionic Gonadotropin)製剤では、供給が安定するというメリットと安全性の面でのメリットがあります。

まとめ

ヒト尿由来絨毛性性腺刺激ホルモン(u-hCG)はその名前からわかるように、妊婦の尿から抽出したhCGを製剤化したものです。
人の尿から製剤化する以上、どうしても感染症のリスクはゼロにできません。
それと比較して、遺伝子組み換え製剤であれば安定供給も容易で、感染リスクをなくすことも可能というわけですね。

 

医療用医薬品情報提供データベースDrugShotage.jp

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